
協賛
協賛のお願いというのは、正直なところ、断られることのほうがずっと多い活動です。
私もこれまで、いろいろな切り口で声をかけてきました。福祉施設に入所されている方のご縁を頼って経営者の方にお願いしたこともありますし、イベントの様子が映像作品に使われたことをきっかけに応援を呼びかけたこともあります。何件もあたって、それでもなかなか結果につながらない。そういう時期が続いていました。
そんな中で今回、少し変わったかたちの応援をいただいたので、記録として残しておきたいと思います。
きっかけは、日頃からお世話になっているある方でした。
その方は以前から、私の活動を「徳の高い行動だ」と言って立ててくださり、「小川さんに貢献できることはありませんか」と声をかけてくださっていました。私が福祉の現場で働いていることにも関心を持ってくださっていて、いつか見学に来たい、とまでおっしゃっていた方です。
この夏、地域の音楽フェスの中でキャンドルナイトを灯すにあたり、思い切ってその方に話題を振ってみました。といっても、大げさな営業をしたわけではありません。自分で書いた文章をAIに整えてもらい、画像を一枚添えて、LINEでお送りしただけです。
すると、すぐにご連絡をいただきました。お電話でご意向を確認して、翌日にはお振込みがあった。前売り券、20枚分です。
驚いたのは、その使い道でした。
ご本人は、チケットを自分で使うつもりはないとおっしゃるのです。「この取り組みを、福祉に関わる方々に知ってもらうために使ってほしい」と。
そこで私は、お預かりしたチケットを、ご縁のある福祉施設の方々にお届けすることにしました。チケットと一緒に、「このような取り組みを応援していただきました」というお便りを添えて。どうしてこのチケットをお渡しできるのか——その経緯として、ご厚意をお寄せくださった方のことも、きちんとお伝えするつもりです。
その方は陰徳を大切にされる方で、宣伝をしてほしいという気持ちは全くお持ちではありません。だからこそ、押し付けにならないかたちで、でもこのご厚意が確かにあったことは、受け取る方々に知っていてほしいと思っています。
この出来事から、私が受け取ったことがあります。
協賛というと、どうしても「お金を出していただくお願い」だと考えてしまいがちです。私自身、ずっとそう思って頭を下げてきました。
でも今回いただいたのは、お金そのものではなく、「あなたの取り組みを、私の代わりに届けてほしい」という思いでした。ご本人は会場にいらっしゃらない。名前を出したいわけでもない。それでも、この火が福祉の現場の方々に届くことを願って、そっと背中を押してくださった。
支援のかたちは、一つではないのだと思います。会場に足を運ぶことだけが応援ではないし、名前を掲げることだけが協賛ではない。「誰かに届けてほしい」と託すこと——そういう静かな応援のかたちがあることを、私は今回、身をもって教えていただきました。
お預かりした20枚のチケットは、責任を持って、福祉の現場で日々を支えている方々にお届けします。当日、その方々が会場で、子どもたちの絵が灯るキャンドルを見てくださったら。そしてその灯りの向こうに、顔の見えない誰かの厚意があったことを、少しでも感じてもらえたら。それがいちばんの恩返しになると思っています。
もし同じように、「チケットを託して誰かに届けてもらう」というかたちの応援に関心を持ってくださった方や、こうしたお届け先としてご縁のある施設の方がいらっしゃいましたら、お問い合わせからお知らせください。
一つひとつのご厚意を、ていねいに灯につないでいきます。