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落ち込んでも、また火を灯せる——支援学級の子どもたちの絵が、私を奮い立たせてくれた

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落ち込んでも、また火を灯せる——支援学級の子どもたちの絵が、私を奮い立たせてくれた

小川 貴之2026年7月14日5分で読める

正直に打ち明けると、最近の私は、ずっと心が折れかけていました。

「神社に火を灯せ」の活動を続けてきて、この火を、この思いを、なんとか多くの人に届けたい。そう願って動いてきたつもりでした。それでも、思いというのは、そう簡単には伝わらないものです。同じ熱を持って聞いてくれる人はなかなか現れず、「せっかくここまで灯してきた火なのに」と、ひとり肩を落とす夜が続いていました。

もし今、地域で何かを立ち上げようと頑張っていて、思うように伝わらず落ち込んでいる方がいたら――この話が、少しでも一緒に前を向くきっかけになればうれしいです。私も、こうして落ち込みながら、それでもまた立ち上がって活動しています。

■ 「音」も「環境」も、障がいの有無を超えてみんなのもの

今回の取り組みを説明させてください。

私たちのキャンドルアートでは、地域の中学校に通う子どもたちに絵を描いてもらい、その絵をキャンドルホルダーにして灯します。前回のテーマは「未来」。そしてこの夏の音楽フェスに合わせた今回のテーマは、「音」でした。

こだわったのは、個別支援級(特別支援学級)の子どもたちに描いてもらうということです。

音や環境というテーマは、障がいがあってもなくても、誰もが等しく関心を持てるもの。だからこそ「みんなで一緒に考えよう」というインクルーシブの願いを、この一枚の絵に込めたかったのです。

とりわけ個別支援級の子どもたちは、中学から先になると、自分の表現を発表できる場がぐっと少なくなっていきます。その子たちに「あなたの絵を、みんなに見てもらえる場所がある」と伝えたい。そんな思いで、各学校に絵の制作をお願いしました。

■ 正直に告白します。私の中に「決めつけ」がありました

ここで、恥ずかしい告白をしなければなりません。

依頼を出しながら、心のどこかで私はこう思っていました。「授業の40分ほどの時間で描くのだから、そんなに大したものは返ってこないだろう」。もっと言えば、「障がいのある子に、そこまでのことはできないだろう」と、勝手に線を引いていた自分がいたのです。

日ごろ私は、障がいのある方々の日中の活動を支える現場で働いています。近くで接しているからこそ、いつのまにか「この子たちにはここまでが限界だろう」という思い込みを、無意識に抱えてしまっていたのだと思います。

その決めつけは、届いた絵を見た瞬間に、音を立てて崩れました。

■ 封を開けて、言葉を失った

締め切りまではまだ一ヶ月以上あったのに、依頼からわずか一週間ほどで、いくつもの作品がレターパックで届きました。

学校ごとに、一校一校、封を開けます。そこにあったのは、私の想像をはるかに超えるイラストでした。

「音」というテーマに、これほどまでに真剣に向き合ってくれるのか。よく見ると、下書きの鉛筆の跡があり、その線を一本一本ていねいにサインペンでなぞってある。時間をかけて、心を込めて、仕上げてくれたのがはっきりと伝わってきました。

「見てほしい」――その思いが、絵からまっすぐに立ちのぼってくる。

授業の枠を超えて、きっと家に持ち帰ってまで描き込んでくれた子もいたのかもしれません。声を上げてしまう子も、うまく言葉を交わせない子もいます。それでも、制作の依頼にはこんなにもきちんと、まっすぐに応えてくれる。目の前の絵が、そう教えてくれました。

■ 励まされていたのは、私のほうでした

その絵を見て、私は自分を恥じました。

「舐めていた」と言ってもいい。「ここまではできないだろう」と見くびっていた自分が、確かにいた。けれど今は、まるで逆の気持ちでいます。

「僕らはこれだけ頑張っているよ。だから、あなたも頑張って」――子どもたちの絵に、そう背中を押されている。

彼らのほうが、ずっと突き抜けた感性を持っている。言葉にならないものをキャッチして、まっすぐに表現できる。その力の前で、「ここでくじけている場合じゃないな」と、心の底から思い直すことができました。

私はよく、こう考えます。神様がたまたま私に、この境遇を与えてくれたのだ、と。障がいのある方々と日々じかに関わり、その表現を世に出す手伝いができる。この巡り合わせを無駄にしたくない。先人が繋いでくれた命のバトンを、次の子どもたちへ繋いでいく。落ち込んだ日ほど、そう自分を奮い立たせています。

■ 協賛のお金が、"誰かの仕事"と"誇り"に変わる

もうひとつ、お伝えしたいことがあります。

このキャンドルアートは、皆さまからいただく協賛金で支えられています。そしてそのお金は、単にイベントの費用として消えていくのではありません。

たとえばキャンドルに使う和紙。古い衣類やシーツから再生された和紙を、裁断して使っています。こうした作業を、障がいのある方々が働く事業所にお願いすることで、それがその方々の「仕事」になり、工賃としてお返しできる。協賛していただいた一円一円が、誰かの働く場所と、小さな誇りに変わっていくのです。

環境にやさしい素材を使い、地域の子どもたちが絵を描き、その制作を障がいのある方々が支える。そして神社に、あたたかな火が灯る。皆さまの協賛は、この循環をまるごと灯すための火種なのだと、私は思っています。

■ おわりに——また、火を灯します

思いが伝わらなくて、へこむ日もあります。今も、その途中にいます。

それでも、子どもたちの絵を目の当たりにするたびに、「もう一度、火を起こそう」と思い直せる。伝えるべき人にちゃんと伝えれば、火はまた大きくなる。そう信じられるようになりました。

もし今、あなたも何かに向き合っていて、落ち込んでいるのなら。どうか、自分にしかできない小さな一歩を、一緒に探しましょう。落ち込んでも、また立ち上がればいい。私も、また火を灯します。

一緒に、灯していきましょう。

小

小川 貴之

協賛サポーター

「神社に火を灯せ」協賛サポーター。エコキャンドルを通じた神社復興活動に取り組む。

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