協賛
イベントの告知というと、まずSNSやネットへの投稿を思い浮かべる人は多いはずです。けれど協賛サポーターの小川貴之さんの実感は、少し違います。
「ネットの投稿への反応数よりも、実際に来てくれる人のほうが明らかに多いんです。割合的には、人伝いだったり、イベント伝いだったりで認知されて来てくれることが多いですね」
ネットを回すことが全てではない。人と人のつながりのなかで広がっていく告知のほうが、実際の来場につながっている、というのです。
小川さんが大切にしているのは、口コミの「広がり方」を肌で感じながら動くことです。
「自分が関わっているところに、こういうのに関わっていますと伝えに行くと、僕を知っている人が僕伝てに発信してくれるんです。『このジャズ祭りでキャンドルを灯すの、オガワちゃんが関わってるんだよ』って、お店側が言ってくれる」
ポスターに「キャンドル」の文字が一切なくても、情報は広まる。告知の主語が「自分」になることで、ただのお知らせが、信頼を伴った口コミに変わっていきます。
「闇雲に声をかけるよりも、一枚一枚の価値を高められる。これは、人と人との関わり合いのなかで学べることが大きいですね」
では、どんなお店が協力してくれるのか。小川さんには、長年の経験から見えてきた目印があります。
「店の外側に貼ってくれるところは、すごく協力的だなという印象があります。店の外だと、歩いている人も目にするじゃないですか。通行人が見て目を引くところに貼ってくれるお店は、広がりが大きいんです」
深く付き合いのないお店でも、活動の思いを伝えると、店の外にポスターを貼ってくれることがある。そういうお店は、内容をちゃんと理解してくれている証だといいます。
逆に、うまくいきにくいパターンもあります。
「大手の有名店、車を展示するようなところは、貼る場所はたくさんあるんです。でも『ちょっと上の判断で』『預かっておきますが、貼れるか分かりません』と言われるところは、たいていうまくいかないですね」
一方で、同じ大手でも結果が違うのがコンビニです。
「コンビニは店長判断で『協力します』ができたりする。ただ、店舗によって全然違います。地元出身で理解のあるオーナーさんはすぐ貼ってくれる。逆にパートさんが『上に確認します』というところは、ほぼ難しいですね。結局、オーナー次第なんです」
決定権が現場にあるか、上にあるか。そこを見極めることが、無駄足を減らすコツになります。
誰もが利用する場所なら告知に最適——と思いきや、そうとも限りません。
「郵便局は、みんなが利用するところだからこそ頼まれやすい。だから掲示にお金を取る仕組みができていて、頼むと料金表を渡されます。銀行や信用金庫も、外には貼ってくれない。『内部で貼っておきますね』という言われ方をされます。駅も基本は有料ですね」
ただし、ここでも「思い」が効く場面があります。
「駅でも、僕らの思いが伝わると、協力という形で料金を取らないケースもあります。アースアワーのときは、デジタルサイネージにも協力してもらいました。未来に向けて何に取り組んでいるか、その思いがどう伝わるか。そこが大きいと思います」
こうした経験は、一つの方針に行き着きます。地元民が通り、使う場所を重点的に押さえること。
「みんなが利用するところで、地元民が多いお店はオーナー次第。大きい会社ほど難しいけれど、商店街のお店は思いを伝えれば協力してくれることが多い」
そして、神社もまた心強い場所です。
「神社には掲示板や壁があることが多いですし、参拝者も絡んでくる話なので、告知には協力的だと受け止めています。『ここの企業が応援しているなら』と、応援が応援を呼びやすいんですね」
ポスター一枚をどこに貼るか。その積み重ねが、地域での認知をつくっていきます。
「神社に火を灯せ」では、協賛サポーター・小川貴之が、告知協力の集め方から人とのつながりの育て方まで、現場目線でご相談に乗ります。