協賛
協賛を集めたり、たくさんの人に告知して回ったり。そうした活動の力は、どこで磨かれたのか。協賛サポーターの小川貴之さんに尋ねると、まったく意外な答えが返ってきました。
「どう思われるかは別として——草取りですね。全然関係ないと思われるかもしれませんけど」
草を取ること。それが、人を集め、活動を続ける力につながっている。一体どういうことなのでしょうか。
草取りをしていると、抜きやすい草と抜きにくい草があることに気づきます。
「特に根を張っている草は、なかなか取れないんですね。土に根を張るということが、人と人とがつながって揺るがないものになるのと同じだと、草取りをすると学べるんです」
しっかり根を張った草が簡単には抜けないように、人とのつながりも、根を張れば揺るがない。地面に向き合う作業のなかに、小川さんは活動の本質を見ています。
清掃とは、掃いて清めると書く。けれど草取りを伴う清掃には、もう一段の奥行きがあると小川さんは言います。
「草を取ると、路面に土が散らばって、かえって汚れるんですよ。だから、草を取ってから掃き清めるところまでできるようになる。そこまでできると、イベントの告知をまいて人を集めるところまでイメージできるようになるんです」
取って終わりではなく、清めるところまでやり切る。その一連が、告知をまいて人を集め、最後までやり遂げる段取りの感覚と重なっていく。
「世の中の仕組みや構図が、体に染みついてくる。これは自分の経験上、すごく自分に生きてきました」
この習慣も、もとをたどれば神社に行き着きます。
「もともと、お宮の草取りから始めたんです。お宮の周りに草がいっぱい生えて、ちょっとかっこ悪いなと思って。本殿の周りが草だらけだったら、お参りしたいと思えないじゃないですか。綺麗に整っているお宮のほうが、心が整う」
朝にお宮の草取りをするグループに入り、月に一度の活動で草取りを学んだ。そこで身につけたものが、やがていろんな場所へ広がっていきました。
「路上の草取りは、今は自分一人でやっています。でも元々は、お宮で草取りをしているグループにいたことから学んだ、その派生なんです」
いまでは、その感覚は心境にまで深く根を下ろしています。
「路上に生えている草を見ると、これを抜いて掃き清めるところまでやるから、イベントが成功するんだ——というイメージまで湧くんです。清めないと気が済まない、抜きたくなる。そういうところまで来ています」
整えられた場所が、心を整える。心が整えば、人が集まる。草取りという地道な営みは、瞑想にも近い静けさをたたえながら、活動を支える土台になっています。
派手さはなくても、根を張る営みが、続く活動をつくります。
「神社に火を灯せ」では、協賛サポーター・小川貴之が、人とのつながりの育て方から地域に根づく活動のつくり方まで、現場目線でご相談に乗ります。