協賛
地域でイベントを続けていると、「準備が整わないから今年は見送ろう」という判断を迫られる場面があります。けれど協賛サポーターの小川貴之さんは、準備不足や持ち出しを理由にイベントを中止したことは一度もない、と言い切ります。
その理由は、とてもシンプルでした。
「大きいのは、自分の子どもが関わっていたから。子どもにとって、中学1年生って一生に一度しかないじゃないですか。卒業式も一度きり。だから『準備が整わないから来年にしよう』とは言えない。一生に一度なんだから、それはかわいそうだって」
「全部揃わないと延期したい」という完璧主義の人もいます。けれど小川さんは「完璧じゃなくてもいいからやろう」と背中を押し、実際に踏み切ったイベントもあるといいます。
「やってみたら、よかったんですよ。そうやって認知が広がっていったので」
継続を最優先する姿勢が試されたのが、コロナ禍でした。
2021年、野外でのキャンドルイベントは開催できませんでした。それでも小川さんは「やめる」ではなく「形を変える」を選びます。
「自分の子どもたちに学びを提供すればいい、と考えたんです。だから学校にキャンドルを贈って、各自でキャンドルホルダーをつくってもらって、写真を撮って送ってください、と呼びかけました」
卒業式の前日に、学校へキャンドルを届けた年もありました。集まった写真は、旭区の市民活動支援センター「ミナクル」で展示。野外で集まれなくても、子どもたちの「一度きりの機会」を、別の形で残したのです。
この発想の背景には、小川さんが広報担当だった経験がありました。
「ちゃんと形に残るものを残しておけば、翌年から『こういう活動をしているので応援してください』と言いやすい。だから記録を集めるようにしていました」
中止という選択肢を持たないからこそ、どんな状況でも“次の一手”を探す。継続は、根性論ではなく工夫の積み重ねでした。
ただし、「続ける」ことと「無理をする」ことは違います。とくに火を扱う活動では、安全への配慮を欠かしません。
「キャンドルは可燃物なので、学校も受け入れには慎重です。防災指導をせずに渡してしまうと、火遊びの道具になりかねない。だから防災指導をしてから渡す。子どもに直接手渡しはしない、というのが今の基準です」
継続のために走り続けながらも、安全のラインは決して越えない。その両立があるからこそ、学校や保護者との信頼関係が保たれ、活動が長く続いていきます。
イベントは、一度きりで終わらせるより、続けることでこそ地域に根づきます。けれど「続ける」には、資金も、記録も、人とのつながりも必要です。
「神社に火を灯せ」では、10年以上イベントを継続してきた協賛サポーター・小川貴之が、あなたの活動を“来年も続けられる形”にするお手伝いをします。協賛集めから記録の残し方まで、現場目線でご相談に乗ります。